ぷくの村人便り

Crazy head & Good heart

村人たち

f:id:orologioacucu:20211025193703j:plain

この村には一軒だけ「案内所」がある。看板はないけど、

おばちゃんがいつも、村の来訪者にあれこれ指南している。

 

この「案内所」前ではしょっちゅう、

犬連れ・猫連れの人々がにぎやかにたむろしてる。

 

あたしも、このおばちゃんをはじめ、

よく知らない人から話しかけられ、村のいろんな情報をもらう。

 

f:id:orologioacucu:20211025193753j:plain

山向こうの温泉への行き方(片道4時間のルート)やら、

うまい日本酒が買える店やら、隣町のおいしいケーキ屋の情報やら。

 

こっちが聞いてもいないのに、向こうから話しかけてきて、

「ここ行ってみ」「あそこはええで」と教えてくれる。

東京では考えられない。でもおもしろい。

 

f:id:orologioacucu:20211025193836j:plain

先日も病院の待合室で、70代の女性に話しかけられた。

「あんた、からだ柔らかいね」。

あたしはベンチに座ったまま、ストレッチをしていた。

長時間じっとしていられない。どうしてもマタサキがしたい。

 

話してみるとこの女性は、なかなかのスポーツウーマンで、

「あたしは年をとってから登山家になった」と、のたまう。

日頃からストレッチなどを欠かさず、長野アルプスへも遠征してるとか。

 

f:id:orologioacucu:20211025193858j:plain

たちまち意気投合し、女性はあたしに近場の温泉情報やら、

「肺を潤す食べものはこれや!」などと、知恵を伝授してくれた。

ふんふん、いちじくがいいのね。いつも食べてるよ。

 

あたしはまたしても、女性が通う気功教室の開催日時まで

教えてもらい、「来てや~!」と念を押された。

女性の眼はいきいきとしていた。彼女のいのちは燃えてたぜ。

 

f:id:orologioacucu:20211025193914j:plain

昨日は坂を登っていたら、アンディちゃん(犬)に出会った。

いつものように、あたしの股間のにおいをクンクンかぐ。

 

飼い主のアンさんは、大学で語学を教えている。

もう50年も日本で暮らしているとか。

立ち話したあと「A bientot! Au revoir」と別れる。

フランス語も通じる村人や。

 

f:id:orologioacucu:20211025193949j:plain

先日やっと、お向かいのおばちゃんが退院してきた。

手術が無事に終わったみたい。

高齢だから心配してたけど…。よかった。

 

おじちゃんにからだを支えられ、ゆっくり家に入るおばちゃん。

そばのコンクリ塀の上では、茶色のデブ猫がぼってりと座って、

二人のようすをじっと見守ってた。